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今、勢いのある企業はREACH REACHをこう使う【株式会社クロボ】

株式会社クロボ 2022.11.25 #インタビュー
今、勢いのある企業はREACH REACHをこう使う【株式会社クロボ】

動画配信サイト「YouTube」の動画をAIで日本語を複数の言語に翻訳するサービスを展開し、動画翻訳業界でも高いシェアを誇る株式会社クロボの代表取締役社長の北氏(きたうじ)さんは、スタートアップ企業の広報力支援をしているREACH REACHに、少し変わった理由で参加しています。
インタビューでは事業内容や独自のREACH REACHの使い方について、詳しくお話を伺いました。

クロボが取り組む「言語の壁を超える」サービスとは?

——自社のサービス内容についてお聞かせください。

北氏さん:動画翻訳サービスの目的は、YouTubeチャンネルの再生回数や登録者数に伸び悩むお客さまに、海外からのチャンネル視聴者を獲得してもらうためです。動画の翻訳は1分当たり2~3,000円が相場ですが、クロボでは1分848円の低価格で、同時に15言語に翻訳し、依頼から48時間以内※に納品しています。

※30分以上の動画の場合は応相談

 

——15言語というと、かなり多い印象です。なぜ15もの言語に翻訳するのでしょうか?

北氏さん:創業当時は日本語を英語にのみ翻訳していましたが、お客さまから「英語だけで、本当にチャンネル視聴者数は伸びるのか?」という質問をよくいただきました。確かに英語圏だけだと、視聴者数には限界がありますし、動画の再生回数や登録者数を増やす方法として、本質を捉えていないようにも思いました。

そこでYouTubeで日本語の動画再生時に使われている上位15言語に翻訳することで、課題解決の可能性を大きく広げられると思い、AIによる翻訳サービスの自社開発に挑戦しました。ちなみにこの15言語は、中国語や韓国語など、訪日外国人の公用語ランキングとほぼ同じです。オプションで追加で10言語追加することも可能です。

——御社の翻訳サービスの精度について教えてください。

北氏さん:「AI翻訳」と聞くと、やはり精度が低いのでは、と懸念される方も多いです。ただ弊社では、何千件という過去の翻訳データを蓄積して、誤訳が発生しにくい仕組みを開発しました。
違和感が残る部分も少しはありますが、視聴者に十分動画の内容が伝わります。
弊社の動画翻訳サービスをご利用いただき、1年間で60万人ほどの海外からチャンネル登録者を獲得したYouTubeチャンネルもありますよ。完璧な翻訳を目指す場合、我々の価格では難しいですが「相手に伝わる」ことをゴールに設定することで、今の価格とスピードを実現できています。

 

——日本と外国の言語の壁をなくす、架け橋のようなサービスですが、始めたきっかけはなんでしょうか?

北氏さん:きっかけは、大学卒業後に留学先のカナダで出会った韓国人の友人の言葉です。彼は韓国焼酎を飲みながら「きみに出会わなかったら、きっと日本人を嫌いなままだった。出会ってくれてありがとう」とぽつんと言いました。たわいもない話をするだけで、相手の考え方が180度変わると知り、衝撃を受けましたね。ほかにも理由はあるのですが、この経験をきっかけに、次第に「世界から偏見や差別をなくすことに、人生をかけたい」との考えが芽生え、その思いを抱えたままクロボを創業しました。企業理念として掲げた「Cross Border(隔たりを超える)」の実現を目指し、試行錯誤の末にたどり着いた事業が「YouTube動画の翻訳」です。



REACH REACHに出会い、営業と採用の可能性に気付けた

——REACH REACHに入会を決めた経緯と、その理由を教えてください。

北氏さん:共通の知人に、REACH REACH事務局員であり、MBS社員である大西さんを紹介されたことがきっかけです。REACH REACHの趣旨は「広報力の支援」ですが、むしろ私たちは他社の業界介入を避けるために広報を控えていたので、入会の目的がほかの会員社の皆さんとは違います。私たちの場合「YouTube関連事業を担う企業が、放送局の主催するプロジェクトに参加することで、面白い化学変化が起きるかもしれない」と思い、参加を決めました。

 

——入会してからは、REACH REACHのセミナーや相談会にもご参加いただいていますね。役立った取り組みなどはありますか?

北氏さん:それらも広報が目的ではなく、営業と採用のスキルを強化するために参加しているのですが、役立ったのは、ピッチ(短いプレゼンテーション)のトレーニングセミナーと営業資料のフィードバック。ピッチのトレーニングでは、就職活動中の人材への企業説明会を想定し、参加者の前で話をしました。そのときに「まずは具体的な話をしてから、結論を伝えたほうがいい」とアドバイスを受けたときは目からうろこが落ちました。ビジネス上では結論から話すことを良しとしていますよね。私は当然、説明会の最初に「弊社の企業理念は、世界から偏見と差別をなくすことです」と話しました。その流れについて「いきなり理念を語られても、親近感がわかず話に集中しにくい。改善策として、まずは身近な具体例から入り、共感を得てから最後に企業理念を伝えると、もっと相手に伝わりやすい」と教えていただきました。

——就職活動中の学生が相手だと、なおさら共感を得てから話し始めるほうが相手も集中しやすいかもしれませんね。営業資料のフィードバックについてはいかがですか?
北氏さん:「REACH力アップ相談会」の場で、現場と同様の営業資料を使って商談をし、REACH REACH事務局の皆さんに意見をもらいました。中でも「プレゼンの前に、相手の持つ課題をヒアリングしてから、必要な内容をかいつまんで話すべき」という意見には納得しました。今の課題は「受注率アップ」と「商談時間の短縮」なので、これは明日からでも実践できる有効なアドバイスだと思います。

 

——セミナーなどの取り組み以外で、REACH REACHに入会してよかったと思えるエピソードがあれば教えてください。

北氏さん:最もうれしかったのは、REACH REACHを通してMBSとの協業が実現できたこと。近年の放送業界では、番組をテレビ放送するだけでなく、YouTubeなどの動画配信サービスでニュースや過去の番組を配信する動きが活発です。京都の情報配信や報道、ラジオなどの領域は翻訳で外国人の視聴数増加が見込めるので、大西さんに助けてもらいながら、そういった部署のプロデューサーにアプローチしたところ、どの部署でも採用してもらえました。
私たちがお手伝いした動画が配信されてから、まだあまり時間は経っていませんが、すでに一部のジャンルでは、過去に放送された番組の視聴回数がぐっと増えています。このMBSの事例を展開することで、今後もさまざまなビジネスチャンスにつなげていきたいですね。

「あらゆる発信」の相談相手としてREACH REACHを使い倒す

——今後の展望をお聞かせください。

北氏さん:まずは2030年までに世界の人口・85億人が、我々の翻訳した動画を5回ずつ再生している世界を目指します。「1人につき5回」の数字は、複数の広告代理店が発表している「CMの視聴回数が5回を超えると商品の購買率が上がる」とのデータに基づき設定しました。この再生数を達成し、日本に旅行で訪れる外国人の10%が弊社の翻訳動画を見て日本に訪れる状況を作りたいです。そうすることにより世界からアジア人の偏見と差別をなくします。さらに2030年以降は、視野を世界に広げて世界から偏見と差別を無くす事業をはじめていたいですね。

——その目標を実現させるためにREACH REACHをどう活用していきたいと思われますか。

北氏さん:広報力の向上だけでなく、ピッチブックや営業資料、会社資料のブラッシュアップもフォローしてくれるREACH REACHには感謝しています。私もそうですが、スタートアップ企業の社長は「組織の作り方」に悩む方も多いので、今後は社長から社員に向けた「中長期目標の伝え方」などのセミナーがあるといいですね。私たちの事業を多くの人に届けるために、REACH REACHを「あらゆる発信のサポートを受けられる相談相手」として、さらに広く活用していきたいです。

 

——ありがとうございました。REACH REACHは、引き続きスタートアップ企業の広報担当者だけでなく、社長の皆さまにも役立つ取り組みを推進していきます。これからもどうぞよろしくお願いします。

株式会社クロボ
独自のAI 翻訳システムを利用したYouTube動画の多言語翻訳事業を手掛ける。
YouTube動画のタイトルとURLを送信するだけで、48時間後に15言語の字幕をYouTube動画に設定するスピード感と1分あたり700円という業界最安価格を武器に、利用者がますます増えている注目のサービスを展開している。